イースV
〜失われた砂の都ケフィン〜
ストーリー  ★★★★★ 
システム  ★★☆☆☆ 
音楽  ★★☆☆☆ 
グラフィック  ★★★★☆ 

 イース最新作としてスーパーファミコンで発売された「最後で最初のイース」こと「イースV」のレビューです。
 ストーリー性という面においては完璧だと思います。ストーリーが短いように感じるかもしれませんが、それはイースシリーズ全般を通して言えることなので、問題にはならないはずです。ただ一つだけ気になるのはサブタイトルです。イースの説明書のストーリーでは「砂の都ケフィン」という書名で紹介されています。一見、大した違いではないように思えますが、ストーリーを考えると少しおかしいことが分かります。ケフィンは元々砂の都だったわけではなくて、砂になって消え去ったため「失われた砂の都」と呼ばれたのです。つまり「失われた」をつけずに、単に「砂の都ケフィン」と言ってしまうと意味が通じなくなってしまいます。こういう部分で「いかにも後から考えたストーリー」というのを露呈してしまっているのが残念でなりません。
 また、ストーリーが短いことにも関わるのですが、プレイ時間がかなり短く設定されています。24メガの容量を費やしているにもかかわらず、わずか8時間程度で解くことが出来ます。演出の凝りすぎと、難易度の低さが原因なのですが、せめて12時間程度のプレイ時間にしてもらえれば、かなり印象も違ったと思うのですが。
 システム面での評価が低いのはその面での完成度がかなり低いからです。ジャンプという要素が加わっているのに、意味があまりありません。たとえば、敵を飛び越えようとすると、なぜか敵の攻撃はよけられず、空中でダメージを受けてしまったりします。町の中で高さの概念を生かす演出もほとんどありません(英雄伝説3のようにテーブルや椅子に上ることさえできない)。また、操作性もかなり悪く、斜め移動ができるのに斜め攻撃(Vでは剣を振って攻撃する)や斜めジャンプはできない、というようなことがあります。魔法に関しても、使ってから効果を発揮するまでの間にかなり時間があり、ほとんどの場合敵が射程外に出てしまっています。防御のシステムも、止っている時しか使えない、などの理由であまり実用性がないように思えます。
 音楽の評価が低いのは、質が悪いというわけではなく、ファルコムらしさがほとんどなくなってしまっているからです。もし、イースVの曲をスクウェアのRPGに使ったとしても誰も違和感は覚えないと思います。いかにもスーパーファミコン用という感じの音の柔らかい曲ばかりなのです。せめて、「THE DAWN OF YS」(イースIVのオープニング曲)のような曲があれば、かなり印象的になったのでしょうが。
 グラフィックは特に問題ないと思います。容量に制限がありますから、ビジュアルはあまり多くないですけど。
 全体として、スーパーファミコンのユーザーの年齢層に合わせすぎた、という感じがします。それでいて新たなファンを作るほどのパワーは感じられないのです。主な原因はROM容量の限界、ということだとは思うのですが、であればCD−ROMの機種で制作すべきだったのではないでしょうか。
 次回作は是非とも容量を気にせず制作できるメディアを選択してほしいものです。
 
 
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