Saturday Night Live - Episode 2
<サタデー・ナイト・ライブ/エピソード2>

〜 解散その後 〜

Version 2.30



SNL

 2006年12月5日に8枚組DVDセット " Saturday Night Live 1975-1976 / The Complete First Season " (リージョン・コード1)が発売された。
 Saturday Night Live <サタデー・ナイト・ライブ>は、第1回の1975年10月11日以降、米国NBCで毎週土曜日に放送されているコメディ・バラエティ番組であり、米国のバラエティ番組の中でも長寿番組のひとつである。

S&Gの二人は、デュオ、ソロでこの番組に何回か出演しているが、その最初の出演となる第2回つまりエピソード2(1975年10月18日放送/ホストはポール)の模様がこのDVDセットの内、Disc1に詰め込まれている。
<エピソード2/S&G>
[ Paul ] " Still Crazy After All These Years "
" Loves Me Like a Rock " with Jessy Dixon Singers
" Marie " written by Randy Newman
" Gone at Last " with Phoebe Snow and Jessy Dixon Singers
" American Tune "

[ Art ] " I Only Have Eyes For You "

[ S&G ] " The Boxer "
" Scarborough Fair "
" My Little Town "
 ポールは前週のポール自身による番組告知、そして " Sketch " と呼ばれるコント " The Bees Have Been Cut " と " One-On-One with Connie Hawkins on the basketball court " 、さらに、ホストによるエンディング " Goodnights " にも出演している。

二人のこの共演は、この年(1975年)の10月に同時発売された、ポールのソロ・アルバム " Still Crazy After All These Years "<時の流れに>、およびアートのソロ・アルバム "Breakaway "<愛への旅立ち>に同時収録された二人のデュエット曲 " My Little Town " <マイ・リトル・タウン>のタイミングに合わせて実現できたもの。

 実は、1970年の二人の辛い解散以降、この SNL での共演までの間、二人の " 復活 " が何度か実現している。

1971年
3月16日
第13回グラミー賞の受賞式に揃って出席し、" Bridge Over Troubled Water "<明日に架ける橋>で6部門を受賞。

1972年
6月14日
ライブ・トラック4曲を含むベストアルバム " Simon & Garfunkel's Greatest Hits " <グレーテスト・ヒット>(ポール、アート、ロイ・ハリーの3人で共同プロデュース)をリリース。

1972年
6月14日
マジソン・スクウェア・ガーデンにおけるマクガバン次期大統領候補支援コンサートに出演。8曲を歌う。

1973年 アートのソロ・アルバム "Angel Clare "<天使の歌声>の " Mary Was An Only Child " <ひとりぼっちのメリー>にポールがギターで参加。

1973年 ラジオ・コント " The Breakup "<解散>をニューヨークで録音。これは、20年後の1993年に、ポールのベスト・アルバム " Paul Simon 1964/1993 "<グレイト・ソングブック1964/1993>、アートのソロ・アルバム " Up 'til Now "<アップ・ティル・ナウ>にそれぞれ収録されている。

1975年
3月1日
第17回グラミー賞授賞式で、ジョン・レノンといっしょにポールが " Record of the Year " (最優秀レコード賞)のゲスト・プレゼンターを行い、"I Honestly Love You" <愛の告白>で受賞したオリビア・ニュートン・ジョン(歌)とジョン・ファラー(プロデューサー)の代理でこのときアートが受賞。
ここでも相変わらずポールとアートの仲が悪く、ジョン・レノンが顔をしかめながら気を遣ってくれているのが窺える。
<第17回グラミー賞授賞式>
grammy 17th

[ Paul ] I thought I told you to wait in the car. 車で待ってるように言わなかったっけ。

[ Art ] Still writing , Paul ? 今でも曲を書いてるのかい。ポール。

[ Paul ] No, I'm trying my hand at a little acting. いや、俳優業で少し腕試しをしようと思っている。

 二人は、ジョン・レノンを脇にしてこんな応酬を交わしている。
 そして同年10月18日、 " My Little Town " <マイ・リトル・タウン>での "仲の良い" レコーディングを経たこの SNL での共演。
 ホストのポールがアートを迎え入れ、ファンにはお馴染みの二人の名ゼリフ。スタジオは爆笑に包まれる。

<サタデー・ナイト・ライブ/エピソード2>
SNL Episodes2

[ Paul ] So Artie , you've come crawling back. アート、仲直りに来たんだね。

【注】crawl : (取り入るために)ぺこぺこする、へつらう、服従する

[ Art ] It 's very nice of you to invite me on your show.
Paul , thanks a lot.
君の番組に呼んでもらってうれしいよ。
ポール、ありがとう。

[ Paul ] Movie 's over now ? 映画の方はケリがついたのかい。

【注】アートは、1971年の " Carnal Knowledge "<愛の狩人>に出演以降、 この頃は映画の仕事はない。
この年3月の第17回グラミー賞授賞式における二人の応酬ネタの延長と思われる。

[ Art ] Yeah. (苦笑いしながら) ああ。

[ Paul ] There, two-part harmony? さあ、二人でハモってみようか。

[ Art ] I 'll try it again to see for our works this time. 今後の僕たちのこともあるからね。今日こそバッチリ決めるよ。

[ Paul ] The Boxer. 『ボクサー』を歌おうか。

 Tom & Jerry ・・・ 仲良く喧嘩をしていたのかも知れないし、これらのシナリオもコント " The Breakup "<解散>同様、二人の関係を自ら茶化した二人の演出によるものだったのかも知れない。正にアメリカン・ジョークである。

 この日 SNL における二人は、1972年のマジソン・スクウェア・ガーデンにおけるマクガバン次期大統領候補支援コンサート以来3年ぶりの " 復活 " である。
" The Boxer " を歌い終わってほっとしている二人は " Scarborough Fair " に入ろうとするところで少し、本音と思われる会話を交わしている。
[ Paul ] It's good two singers can gain. 僕たちの勝利だ。

[ Art ] Yes. Two-part harmony is the greatest. ああ、僕たち二人のハーモニーは無敵さ。

 この " The Boxer " と " Scarborough Fair " を歌うSNLにおける二人の映像は、一般世帯にビデオが普及されていない1976年7月20日、NHK 『世界のワンマンショー/ポール・サイモン』 (1975年12月27日のポールのロンドン・ライブから)の一場面として日本国内でも放送され、日本のファンは二人のハーモニーとポールのギター・テクニックにすっかり魅了されたのである。


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