サイモン&ガーファンクルの部屋



S&Gサウンド



 ポールのソロ・アルバム公式第一弾“ PAUL SIMON ”(1972年)の“母と子の絆(Mother And Child Reunion)”を聞いてS&Gファンはまず度肝を抜かれたことと思う。S&Gサウンドに耳がなじんだファンがまさかポールがレゲエをやるとは夢にも思わなかったに違いない。中には、レゲエという音楽の存在をこの曲を通じて初めて知った人もいるだろう。ポールは、S&G時代、ポール自身がやりたくてもできなかった新境地をトライし始めていた。このポールのアルバムやアートのソロ・アルバムを聞いて、後期のS&Gがいかにアートとロイ・ハリー色の強かったかを窺い知ることができる。これはビートルズが解散後、彼らのソロ・アルバムを聞いて、後期のビートルズがいかにポール・マッカートニー色が濃かったかを認識したことに近似している。さらに、ポールってこんな声だったのかと思ったファンも多いはず。後期のS&Gは、ハーモニーのそれぞれのパートを二人が重ねている、つまり合計4人分の声がミキシングされS&G独特のレコーディングをしていることによるものである。
彼らの音楽は正にワールド・ミュージックである。S&Gあるいはソロで彼らは、世界中のサウンドやスタイルを取り入れている。

ジャンル

曲目
ゴスペルBridge Over Troubled Water
ボサノバSo Long,Frank Lloyd Wright
レゲエMother And Child Reunion
フォルクローレEl Condor Pasa
Duncan
ディキシーTake Me To The Mardi Gras
サンバLate In The Evening
カリプソMe And Julio Down By The Schoolyard
Think Too Much(b)
ラップ A Simple Desultory Philippic
Kodachromeのエンディング
その他ポールはライブでラップを取り入れたアレンジを多用
ドゥワップTenderness
Rene And Georgette Margritte With Their Dog After The War
カントリーGraceland
ジャズMr.Shuck'n'Jive
Just Over The Brooklyn Bridge
 ある時はアルバム一枚が丸々アフリカ音楽であったり、ブラジル音楽であったり、現地のミュージシャンを起用することにより大きな特色を出している。
 採用されていないのは日本の音楽くらいかと思いきや、雰囲気的に次の曲がどうも日本の音楽くさいと思うのだがいかがか。

ポールPeace Like A River の出だしの“ Ah- ”が日本民謡の掛け声に似ている
アートWhen A Man Loves A Women のバックに尺八のような音(ケーナかシンセサイザーによるものか)が流れている

 さて、話を元に戻して、果たして彼らの音楽は総体的にどのジャンルに分類されるのか。
 結局は多くがポップスであり、ある時は世界の音楽とポップスとの融合を越え、ジャズにおけるフュージョン、クロスオーバーのように洗練されたボーダーレス・ミュージックになっているように思う。
 


Copyright 2000 M.Satoh