囲碁友と東北の旅

  その1 寒く震えながら出発

 毎年恒例となった忘年会を兼ねての旅はここ数年北海道だったが今年は東北新幹線の八戸開通もあり東北になった、旅行の朝は早い普段八時過ぎまで寝ているので朝六時は辛いあたりは暗く寒く何でこんなに早く行かねばならないかとブツブツ独り言を言いながら

家を出る。

 今夜の宿は青森の古牧温泉、連れは囲碁友達で新宿駅の自動改札口で東北新幹線はやての特急券、座席指定券、乗車券の三枚のチケットを重ねて入れるとチックされて出てくる、暫く不思議と思う、車内でも車掌がきても検察をしないから日本のハイテク技術に感心。

 東北新幹線はやては八戸開通は一月も経っていないが飛行機より便利で人気が有るらしい、乗り心地もよく八戸まで三時間快適だった、私は定年で世の中の厳しさは知らないが相棒曰くボーナス40パーセントカットと言う信じられないが昔サラリーマンは気楽に稼業時代から考えるとサラリーマンは辛いよね。

 

  その2 海産物を買うなら八食センター

 終点八戸駅で迎えのバスが二時間待ちなので地元の観光スポットを聞くとこの辺何もないが最近出来た八食センターに行ったらと素っ気ないがまあ話の種にとタクシーで10分の八食センターへ規模もでかく駐車場も何百台有り二階はゲームセンターで子供たちの憩いの場、八戸港から今朝水揚げされた新鮮な海産物 近郊からどっと客が集まり暮れと重なって場内はてんてこ舞い食堂もどこ満員とくに回転寿司は一時間半待ち比較的空いている食堂で昼間からビールを飲んでの飯は旨い、時間の関係で何も買わなかったが帰りにわざわざ寄って買い物をした位であるから是非ここの地を訪ねる事が会ったら寄ることお勧めする。

 

  その3 日本100選温泉ナンバーワン古牧温泉

 八戸に戻り迎えのバスの乗り込むこのバスは同じ経営をする古牧温泉、奥入瀬観光ホテル、谷地温泉と八戸駅と青森駅を結んでいるシャトルバスである、ここ古牧温泉は懐かしい想い出がある、私が若い頃五月の連休に下北半島に渓流釣りの帰り青森駅を出て暫くすると木の黒塀に囲まれ落ち着いた雰囲気と温かさを感じる看板に古牧温泉の文字が何故か脳裏に焼き付いていつか訪たいと思っていたがいざ着くと驚いた昔の建物は奥の方にひっそり建ち今は多分地元の人や湯治客相手の営業らしい今は近代的な高層ホテルが4つどかんと建っている、この古牧温泉の広さは半端でなく敷地内にJR東北本線と私鉄が走り民族博物館、かっぱ沼には夏は遊覧船遊や渋沢公園には日本経済の父と言われた渋沢先生の旧邸を東京三田より移築保存その費用12億、明治の雰囲気を残す貴重な建物等が有り1日一回シャトルバスで敷地内の観光案内してくれる。

 取り敢えず部屋に案内されまずは自慢の風呂に行くこの古牧温泉は日本観光プロが選ぶ日本温泉100選で10年連続一位を獲得している名物風呂が三つあるがまず絶景露天風呂湯船の前が池で滝から水が流れ落ち池の中に岡本太郎作の河童が建っている雪は無いが外は寒い温泉は透明で肌がすべすべして時を忘れて入った。

 各ホテルの外観は別々の建物であるが地下道で結ばれボーリング場、宴会場を始めゲームセンター、土産物、スナック、飲食店等が有り一寸した街の繁華街である通路の壁には天皇陛下や有名人がこの温泉を訪ねた写真を始め絵画や書があらゆる所に飾られている。

 

  その4 たかが囲碁されど囲碁

 風呂に入り終われば囲碁迷人戦の開始である、勝てば自慢し負ければビールのせいと言い訳して時間だけが静かに過ぎて行く夕食はバイキング方式ちょぴり風情がないが時代の流れで仕方ないが内心部屋で仲居さんが食事の世話してくれて世間話でも交わしながらのビールを飲みながらの食事をなんて勝手に期待していたのであった。

 囲碁好きな人は観光地に来ても観光より碁に熱中して勝って負けて後一局と成るので1日10局と取り決めする、こうするとすべてに余裕が出来て食事の後は日本一と自慢の大岩風呂に行く広く洞窟風で本物そっくりの大木が並び湯船のガラス越しの景色は素晴らしい大岩が無造作に並びその間から水が流れ落ちている、今にも岩魚が飛び跳ねる感じある、

こうして1日が静かに過ぎたのであった。

 次の日、あたりは暗い時計は5時をさしている、さあ朝風呂に行こうと元気がいい広い湯船にのんびり体を沈めればこの世の天国である、こうして早起きの目的は朝飯までの時間を碁をしたいからである。

 

  その5 奥入瀬渓谷新緑は素晴らしい

 今日は奥入瀬渓谷経由で谷地温泉泊まりである、夏の奥入瀬は水量も豊かで木々の葉の緑も特別な色合いを感じるが冬は水も少なく丸坊主の樹木に寂しさを感じる陽はさしているが粉雪が舞い吐く息は白く寒さを感じる、バスはゆっくりと走りあちこちに山から流れ落ちるダイナミック滝を運転手が少しなまり混じり言葉で説明してくれる、夏の躍動感溢れる奥入瀬を動ならば冬は静寂の静である、途中バスは十和田湖で遊覧船観光だったが私達は冬の十和田湖は寒さが厳しく岸辺のつららを見ているだけで十分で土産屋のストーブに当たりながら携帯用の碁盤で碁をして過ごした。

 

  その6 谷地温泉は湯治に最適

 八甲田山の中腹に位置する谷地温泉はブナ林で覆われ雪一色であるブナ林の間から粉雪が陽に当たりキラキラ光る光景は幻想的である、谷地温泉は雪の中の一軒宿で素朴でランプが似合いそうな山小屋風の湯治温泉である木の湯船か二つあり一つは無色透明の霊泉で万病にきくらしい、もう一つは乳白色で火傷や皮膚病などとくに効果があると言う。

 木の湯船は人が10入れば満員と小さいが混浴であるから慣れていないから少し焦りを感じるが叔母さん達だからすぐ慣れる、又ここで外人と出会うと夢にも思っていなかったが私が温泉に入っていると三人連の外人が入ってきた、まずは挨拶とHELLOとやると今晩と帰ってきた東京の高校で英語の先生を教えている人だった、片言の英語でやりとりを湯船の中でする、そして私に青森はどんな所ですかと質問してきた、私は田舎ですが素朴で温泉も人も良いところだと言ったつもりだったが相手がどう理解したかは定かでない。

 宿周りは銀世界太陽が出ていつも雪が舞い遠く雪をかぶった雄大な八甲田連峰、夕食は岩魚の刺身なぞそれなりの料理に満足してさあ今日もビールを飲みながら楽しみに待った囲碁の10回戦が開始され雪で降る中静かな時間が流れていった。

 この辺一帯は春から秋にかけては湿原には水芭蕉の群落、高山植物の花が咲き池には岩魚が泳ぎ遊歩道も整備されブナの原生林の中の散策を始め八甲田山の登山客で賑わう。

 こうして旅は終わったが美味しいご馳走を食べ素敵な温泉に入って好きな碁をして良き一年を締められた事に感謝。