1、推定相続人/法定の相続人/遺留分権利者
相続人とは被相続人(死亡した人)の財産上の位置を包括的に承継する者をいいます。相続人になりうる者は民法で決められていますが、これを法定の相続人といいます。そのうち、最優先順位にあって、相続が開始すれば相続人になる立場にある者を推定相続人といいます。推定相続人は相続が開始すると同時に,、相続財産に対して一定の割合で権利を取得します(共有)が、定められた期間内(3ヶ月)に放棄の意思表示をすることもできます(相続放棄)。相続放棄をすると、最初から相続人ではなかったとみなされます。また、推定相続人のうち、配偶者・子・直系尊属(父・母・祖父・祖母等)は遺留分に対する権利を有し(遺留分権利者)、被相続人の遺言に関わらず、相続財産の一定割合に対して権利を有します。兄弟姉妹には遺留分に対する権利はありません。
日本では遺言書を残すことは未だに一般的ではないかもしれません。「死」を真剣に考えないとか、「死」を前提にものを考えるのは縁起が悪いとか、なまじ遺言をすると兄弟喧嘩の元になるからとか、あるいは、遺言を残してもその通りになるとは限らないからなどがその理由かもしれません。
しかし、被相続人の遺志をはっきりと示した方が、残された人たちも納得しやすいという場合もあるでしょうし、家族の中で弱い立場にある人が守られるという場合もあるでしょう。
そこで、遺言書についての簡単な知識を以下にまとめてみました。
なお遺言書には、手軽に作れて費用のかからない「自筆遺言証書」や、少し面倒で多少の費用がかかりますが、争いを避けるのに役立つ「公正証書遺言」などがあります。
子供や配偶者は特に事情がない限り相続人になります。つまり、被相続人の残した財産に対して包括的に権利・義務を取得します。しかし、特定の財産(不動産・銀行預金等)を相続し、名義を自分名義に変更しようとするときは、単に自分が法定の相続人であることを証明するだけでは足りません。すべての推定相続人(単なる法定の相続人ではなく、最優先順位にあり、現実に相続権を有する者)の協議(放棄の場合等を含む)で遺産が分割され、その結果自分がその特定の財産を取得したということを文書で証明しなければならないのです。そのためには、戸籍謄本(除籍謄本・原戸籍謄本)を集めて、法定の相続人を確認し、その内、「推定相続人は誰と誰で、全部で何人いるかを明かにしなければなりません。それが相続人の調査です。
被相続人が亡くなれば相続が開始され、遺産(負債を含む)は相続人が共同して包括的に相続(共有)します。しかしこの段階ではまだ、家も土地も預金もすべて共有になるので、通常は遺産分割をして、個々の財産の所有者を決定します。そのために作成するのが遺産分割協議書です。特に、不動産の相続登記や預貯金の名義変更手続・引き出し等には原則としてこの書面が添付書類として求められ、これがないと手続ができませんから、絶対に必要な書類といってもよいと思います。また遺産分割協議書は、法律のルールに従って作成しないと無効になったり、争いの元になりますし、添付書類として役に立たなかったりしますから、法律の専門家に任せて作成してもらうのがよいと思います。
5、名義変更の手続 /相続手続(遺産分割の手続)
特に不動産の場合、名義が何十年も前に亡くなった方のままになっているということは珍しくないと思います。そしてその後新たな相続が開始され、処分したいと思ったときには、相続関係が極めて複雑になりすぎていて、名義の変更をするだけで大変な思いをするという事例が多いのではないでしょうか。そこで、相続が開始したら、できるだけ早い時期に遺産分割をして、相続登記をするのが得策です。中の良い兄弟姉妹でも、年月がたち、それぞれが家族を持つようになると、兄弟姉妹だけの問題ではなくなり、互いに争い合うということはよく聞く話です。争いが生じてからの遺産分割は大変苦労するようです。
6、郷里を離れてお暮らしの方へ
遺産分割協議書は複数の推定相続人同士の合意で作成するわけですが、推定相続人が互いに親しくて、しかも近所に住んでいるとは限りません。むしろ、遠く離れて暮らしていたり、何十年も会ったことがないとか、今までに一度も会ったことがないという人たちがお互いに相続人になることが多いと思います。そこで、誰かが代表者になって、電話や郵便を使って連絡を取り合いながら、意思を伝え、遺産分割協議の内容を決め、必要な書類を集め、最後に遺産分割協議書に署名捺印してもらうという方法が一般だと思われます。そこで、代表者の方は、これらの面倒な作業を行政書士などの専門家に依頼して下されば、専門知識を駆使して、問題なく処理することができます。東京にお住まいの方など、最寄りの行政書士に依頼して頂けば、ご本人に代わって必要な手続を致します。
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