●「『クラムボン』とは何ですか」というご質問への返答

 『クラムボン』とは何でしょう。
 それは未だに誰にもはっきりとはわからないのです。たくさんの学者たちもいろいろな意見を出しましたが、どれにも反対意見がありました。ですからあなたも正解を出すことは難しいはずです。
 でばどうしてそんなに難しいのでしょうか。それは作者の宮沢賢治が「誰にも分からないように」と思って書いたからかもしれません。
 それでは、どうして先生がそんな難しいことを考えろと言うのでしょうか。それは、『クラムボン』とは何かを考えることはいろいろなことを考えることになるので、とても勉強になるからなのです。ですから授業でみんなにこの問題を出して考えさせることは先生の大切な仕事なのです。

 そこで、あなたはクラムボンとは何かいろいろ調べる他に次のように考えるのが良いと思います。
 「どうして宮沢賢治は誰にも分からないような書き方をしたのだろうか。はっきりと分かるように書くのがいやだったのだろうか。それとも、わざわざみんながいろいろと悩むようにと思って書いたのだろうか。あるいは、自分の思いは誰にも分かるはずがないから、だから、誰にもはっきりとは分からない書き方をした方が良いと思ったのだろうか。」などと。
 そして、もしあなたが、宮沢賢治がどうしてそんな風に書いたのかが分かるような気がしてきたら、そのときは先生に言ってください。「私は作者がどんな気持ちで『クラムボン』と書いたのか分かるような気がします。ですから、『クラムボン』の意味が分からなくても、作者の気持ちが分かったから、それで気が済みました。」と。
 もし、本当にそのように言えるようになったら、それは素晴らしいことです。なかなかそのように言えるようにはならないのです。そのように言えるようになるためには、宮沢賢治の生涯について詳しく調べたり、その作品をたくさん読んだりしなければなりません。学者でも難しいことです。6年生のあなたにとっては難しいのは当たり前のことなのですから、分からなくてもがっかりする必要はありません。

 どうですか、こんなお答えで理解していただけましたか? 
 いつかこの問題が分かるようになったらいいな、と思いながら勉強を続けてください。

●「最後にちょっと出てくるだけなのになぜ『やまなし』が題名になったのですか」というご質問への返答

 このものがたりにはいろんなものが出てきますが、作者はその中でいちばん大切なものを題名にしたのだと思います。

 生き物が他の生き物を食べてしまうことは、そのことだけを考えるととても恐ろしくて悲しいことです。でも、それはただ恐ろしくて悲しいだけのことでしょうか。
 やまなしの実のことを考えてみてください。木から落ちて腐っていく(死んでいく)のはただ無駄になって消えていくだけなのでしょうか? 「おいしいお酒」の説明を読んでよく考えてみましょう。
 そうです。生き物たちの世界がそんな風にできあがっているのだと分かれば、かわせみが魚をおそったのも、ただ恐ろしくて悲しいだけのできごとではないことに気付きます。そうすると、やまなしは生き物たちの世界(私たちの住んでいる世界でもある)の仕組みについてとても大切なことを教えてくれていることになりますね。
 作者はそのことを考えると、やまなしを本当の主人公にしたくなったのではないでしょうか。

●「作者はなぜ『やまなし』を書いたのですか」というご質問への返答

 宮沢賢治という人は、生き物が生きていくということは別の生き物を殺していくということだと考えて、とても悲しんでいたのです。また、例えば自分の愛する妹など、死んだ者がこの世から消えてしまうということの恐ろしさにも大変苦しんでいました。でも、この世界の全ての生き物たちが決してばらばらの存在ではなくて、どの命もみんなつながって大きな一つの仲間として生きているのだと思いついたら、その悲しみと苦しみがやわらいだのではないでしょうか。
 作者はこのことを物語に書いてみたいと思ったのだと思います。

 同じ作者の「よだかの星」「なめとこ山のくま」「注文の多い料理店」も読んでみてください。それぞれ「やまなし」と読み比べるとどう感じるでしょう。

●「『かわせみ』は何を表しているのですか」というご質問への返答

 カワセミは子蟹だけでなく川の生き物たちにとって恐ろしい存在です。
 でもカワセミはどうして生き物を取って食べるのでしょう。
 他の生き物を取って食べるのはカワセミだけでしょうか。
 他の生き物はみんなカワセミと違う生き方をしているのでしょうか。
 こう考えてみましょう。すると生き物たちの世界の仕組みが少し分かってきます。

 この世の中は楽しいことばかりではありません。恐ろしいことや苦しいことや、こんなもの無ければいいのにと思うことがたくさんあります。でもそれらの嫌なことも、よく考えてみると実は・・・・
 カワセミはこう考えるきっかけとなってくれているのではないでしょうか。

●「主人公は誰ですか」というご質問への返答

 主人公は蟹の兄弟です。これははっきりしています。
 でもあなたはなぜこんな簡単な質問をしたのですか。誰かにそれを考えろと言われたのですか。

 本当は、「この作品の主人公は蟹の兄弟だけれど、この主人公に負けず劣らず大切な役割を果たしているのは何ですか。」という質問をするべきだったのです。
 それではその答えは何でしょう。それは作品をじっくりと読むことによって自然に分かってくるものなのですから、よく考えてみてください。

●「五月と十二月の違いがよくわかりません」というご質問への返答

 細かく全ての違いを見つけるまで頑張る必要はありません。
 明るい・・・暗い
 活発・・・静か
 ・・・・・・
 他にもいろいろあるでしょうが、季節や川の中の様子は時によって全く反対に感じられるものなのです。
 そしてそのどちらも嘘や間違いではなく、どちらも自然の本当の姿なのです。
 五月と十二月を比較してそのことに気付けばこの問題を考えた意味があったということになります。

●「テストの予想問題はないのですか」というご質問への返答

 ごめんなさい! こんな質問がくるとは思っていませんでした。   授業で先生の言ったことをよく思い出して復習をしておきましょう。
 予想問題がわからなくてごめんなさい。

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